みなさん、こんにちは。I-Port.biz 編集部の渡邉です。

私は普段、フリーランスの”グラフィックデザイナーというめちゃくちゃカタカナな肩書きで仕事をしています。字面だけ見るとイケてる今っぽい仕事に見えるフリーランスのグラフィックデザイナーですが、実際のところ何をしているのか馴染みのない方にはわかりづらいかもしれません。今回はこの小難しい肩書について説明してみたいと思います。

グラフィックデザイナーってどんな仕事?

フリーランスという言葉はご存知のとおり特定の企業や団体に勤めずに個人のスキルや知識によってクライアントから業務ごとに仕事を受注する労働形態のことですが、グラフィックデザイナーという仕事については関わったことがないとよく分かりませんよね。

グラフィックデザインは文字や色・形・写真などの視覚要素を用いて、出版・広告・ロゴ・パッケージ・Webサイトなどのビジュアルを制作する仕事で、上記のような制作物を通して、それを見た人に狙った印象や感情を与え、サービスや商品、企業・店舗のブランドや世界観を確立するのが役割です。

グラフィックデザイナーの仕事内容を大分すると、以下のように分けられます。

○広告デザイン:ポスター、チラシ、Web広告など、商品やサービスを宣伝するデザイン。

○パッケージデザイン:食品や化粧品などの商品の魅力や視認性を高めるためのパッケージやラベルのデザイン。

○出版・エディトリアルデザイン:雑誌、書籍、カタログなどの紙媒体のレイアウトや文字組を調整して

読みやすさや美しさを追求するデザイン。

○ブランディングデザイン:ロゴ、名刺、封筒、パンフレットなどに展開するVI(ビジュアルアイデンティティ)を構築し、企業イメージを視覚化するためのデザイン。

○UI/UXデザイン:Webサイトやアプリの、使いやすさや快適な使用感に関わるユーザーインターフェース(UI)とユーザーエクスペリエンス(UX)をデザイン。

○モーショングラフィックデザイン:動画に動きや映像を加え、視覚的な情報伝達効果を高めるためのデザイン。

○Webデザイン:WebサイトやLP(ランディングページ)などのオンラインデザイン。

○ゲームデザイン:ゲームのグラフィック(背景、キャラクター、アイテムなど)のデザイン。

フリーランスデザイナーとして活動している方は、複数あるいは全てのものに関わっていることが多く、私自身も一通り経験をしています。基本的には印刷物やロゴなどの静止画を作ることが多いものの、場合によっては映像のシーンの切り替わりや演出面の指示・Webサイトの動きなど動画(モーション)系の制作物の監修に入ることもありますし、場合によっては店舗やイベント会場などの空間に関わるデザインまで携わる方もいて、デザインと名のつく分野では何でも屋さん的な側面もあります。

実制作の流れ

デザイン制作の流れを簡単にまとめると、お客様の要望(=課題)をヒアリング→解決するための手立てを一緒に考える→様々な方法で制作物に落とし込む→何回か修正を経て納品という感じになります。

フリーランスの場合には一人でやりきれる範囲で仕事を受注することが多いのですが、大規模な広告制作案件やWebサイト開発の場合だとこの一連の流れの中でも様々なジャンルのクリエイティブが絡むこともあるので、制作物によっては役割ごとに分業を行うこともあります。

私の場合は、制作会社と一緒に仕事をさせていただくことが多く、ディレクター(全体統括/品質管理)、ライター(文章を執筆)、イラストレーター(イラスト制作)、フォトグラファー(写真撮影)、コーダー(Web/アプリ開発に関わるプログラミング)のような方々と一緒に仕事をする機会が多いです。パートナーは企業に限らず、自分と同じくフリーランスの方の場合もあります。人が多く関わるほどに当然制作費は多くなるのですが、個々の分野でプロフェッショナルの知見が入り、また無理のない制作進行ができるようになるためクオリティや訴求効果はかなり上がる傾向にあります。

個人事業主の目線では、期間限定のチームながら協力して創り上げる楽しさやチームの一員として達成感の共有ができるなど、普段一人で仕事をすることが多い分新鮮な喜びを感じられます。

まとめ

以上、めちゃくちゃカタカナな肩書きことグラフィックデザイナーがどんな仕事かをかいつまんでお話しさせていただきました。朝コンビニで手に取ったおにぎりのパッケージや、街角のイベントポスター、ネットで見かける広告バナーやWebサイトのレイアウトも誰かの頭をひねったデザインの成果だったりします。どこか遠い世界の専門職のように思えるかもしれませんが、実際はみなさんの生活のすぐそばにいる仕事だと思っていただけたら嬉しいです。