ついに回ってきました、編集部もちまわりのコラムです。

自分のコラムでもぼやいていますが、毎回何書けば良いんだか悩む所なんですが、今回は他のメンバーに習って「普段なにやってんの?」的な、私の仕事についてつらつらと書いていきたいと思います。

愛知からIターンして15年…どう生きてんのって話

私はもともと愛知県出身で、Iターンして今の土地に住みはじめてから、気づけばもう15年になります。

UIターンという言葉も、今ではだいぶ一般的になりました。地方移住やリモートワークといった働き方も、ここ数年でかなり広がった印象があります。

例に漏れず私も地方に住みながら東京の企業のWEB案件をディレクションしています。打ち合わせや制作進行は基本的にオンラインです。

私の周りでは、こういう働き方が当たり前になっています。南は沖縄から北は北海道まで本当に全国どこにいても、どこの仕事にだって従事できる世の中になったな〜なんて思います。

ただ、地方の会社員として働いている方からすると、

「地方にいて、どうやって都会の仕事をしているの?」

と少し不思議に感じるかもしれません。

毎日GoogleMeetで打ち合わせをして、Slackでやり取りをして、必要があれば東京に行く(めっちゃ稀ですが)。実際にやっていることはそのくらいで、特別なツールを使ったり多額の投資も必要なく、なんなら無料のものばかりでこういった働き方ができちゃいます。

今回は、地方に住みながら東京の仕事をしているWEBディレクターの働き方の一例として、私の仕事や考え方について少し紹介してみようと思います。特にUIターンや地方移住を考えている方にとって、何か参考になればうれしいです。

WEBディレクターって仕事はこんな感じって話

WEBディレクターという仕事、説明がなかなか難しい仕事です。

デザインを作る人ではありません。
コードを書くエンジニアでもありません。
かといって、単純にスケジュール管理だけをしているわけでもありません。

では何をしているのか。

私の場合、一番価値を出しているのは「曖昧なものを具体化すること」だと思っています。

プロジェクトの打ち合わせでは、

「もう少しこういう感じにしたい」
「なんとなく今の方向性は違う気がする」

といった、少し抽象的な話が出てくることがよくあります。

そこで、

・そもそもの目的は何か
・誰に向けたものなのか
・成功とはどういう状態なのか

といったことを整理しながら、話を具体的な形にしていきます。

抽象的な話を構造化して、方向性をはっきりさせる。
バラバラに見える意見を、ひとつの方針にまとめていく。

そういう役割が、WEBディレクターの仕事だと考えています。

会議が終わったあとに「話が整理されましたね」と言っていただけることも多く、そういうときに自分の役割を実感します。

WEB制作の現場では、デザイナーやエンジニアなど専門的なメンバーがチームとして動きます。その中で、プロジェクト全体の方向を見ながら、迷わないように整理していく。

つくる人というより、「正しい方向に導く人」に近いのかもしれません。

こうやって書き出すとWEBディレクターという括りが昔に比べて大きく変容しているな〜と思います。というか職業を括ることがどんどん難しくなってきています。

専門的技術である程度くくる事はできますが、それ以上に「どんな役割ができるのか」を正しく言語化し、自分が従事する業務領域でどんな価値を発揮できるかを見出す事が、これからの「働く」という事に必要になりそうですよね。

なぜ地方でも東京の仕事ができるのはなんで?って話

地方に住みながら東京の仕事ができている理由はいくつかあります。

まずは環境面です。

クラウドストレージでデータを共有し、GoogleMeetなどのオンライン会議ツールで打ち合わせをする。Figma(ブラウザ上でデザインを共同編集できるツール)を使えば、デザインの確認や修正もリアルタイムで行えます。

SlackやNotionなどのツールを使えば、プロジェクトの進行や情報共有も問題なく行えます。特に活用しているのはFigjamというホワイトボードで、あらゆるプロジェクトの議事録からデザインログなどの管理を俯瞰して見られる様にしています。

こうした環境が整ったことで、物理的な距離の影響はかなり小さくなりました。

とはいえ、それだけで安定して仕事を続けられる訳では無く、顔を付き合わせる機会が無くても任せてもらえるのは「信頼」だと思っています。

地元の仕事では当たり前だった初回の顔合わせが、いきなりオンラインから。そうするとなかなか距離感を縮めるのが難しい。だからこそ、打ち合わせでの整理力や、話のまとめ方、方向性の提示などがそのまま評価につながります。

有り難いことに、

「話がまとまる」
「方向性がはっきりする」
「本質を理解してくれる」

と言っていただけることが多く、ファシリテーション(議論を整理して進める力)や、抽象的な話を構造化する部分を評価していただいて、様々なプロジェクトにアサインさせていただいています。

また、私はデザイナーからキャリアをスタートし、印刷物、WEB、写真撮影から動画まで幅広い分野を取り扱ってきたことで、様々なクリエイティブに対する知識、技術に通じています。

クリエイターとクライアントを繋ぐ上で、このキャリアがとても役立っていることは確か。紆余曲折あったキャリアですが、それが求められるものに繋がったと思っています。

それでAIってどんな感じよという話

最近はAIを使った制作や業務効率化の話もよく聞くようになりました。

なんなら「仕事がなくなるんじゃ!?」みたいな話も世に溢れてきていますが、個人的にはむしろやり易くなったと感じています。

構成案を考えるときにAIに壁打ちができたり、文章のたたき台を作るときに手助けしてもらえたり。アイデア出しのスピードはかなり上がりました。

特にまとまりの無い資料や原稿、口頭ベースの曖昧な内容を整え、適切に言語化することが今までとは全く比較にならないレベルで高速で正確にできる様になっています。

ゼロから全部を自力でおこなう時間が減った分、「どの方向にするか」「どれを採用するか」を考え、判断する時間に集中できるようになっています。

AIが全てを代替してくれる訳ではありませんが、だからこそディレクターの役割がよりハッキリしてきました。

どんな問いを立て、AIが生み出す解を見て、どの方向に進むのか判断する。

AIはよくウソをつくし、微妙なニュアンスについて感じ取れないし、正しく入力されなかった情報にも弱いです。曖昧な情報に対して「言語化が難しく、ニュアンスをAIに伝えられないが、自分の中でなんとなく答えが見える」みたいな事は完全に人間の力が必要です。

そのためにはAIに振り回されない確かな知識、経験、そこから生み出される知恵が必要になってきているな〜と思います。求められてますね、力量が。

地方で都会の仕事をするという働き方の話

ここまで少し堅い話を書いてきましたが、実際のところはそこまで特別な話でもありません。

いまの時代、通信環境さえ整っていれば、地方にいながら都会のプロジェクトに関わることは十分可能です。

空気が美味しくて、農作物も美味しい地方に住みながら、東京の仕事をする。そういう働き方も、特別なものではないです。誰でもできちゃう。バカみたいに美味しいリンゴがバカみたいに安い値段で食べれられるんだから、子どもがりんご大好きなら飯田で働いたらええんちゃうんかと思います。

ただ、勉強する場所や成長できる環境については、自分で見つけにいく必要があります。地方にいると、その点は意識して動かないといけません。

私の場合は、自分の身の丈に少し合っていない場所に飛び込んで、実際にやりながら学ぶことが多いです。肉を切らして骨も断たれますが、代償を払って身につけたものは血肉となって自分のパワーになって還ってくるのです。

こんな私の働き方や、仕事に対する考え方はあくまで一例ですが、地方で働くこと、UIターンという選択、そして都会の仕事との関わり方。そういったことを考えるときに、この話が少しでも参考になればうれしいです。