
東京で働き、横浜で暮らしていた私が、今は飯田市でフリーランスの映像クリエイターとして仕事をしています。
子育てをきっかけに移住し、働き方を見直す中で選んだのが「フリーランス」という道でした。自由な働き方に見えるフリーランスですが、その裏には悩みや葛藤もあります。
移住、子育て、そして地域で働くこと。
その中で私が感じてきたことをお話しします。
子育てと移住の中で見つけた働き方
はじめまして。
飯田市で映像制作の仕事をしている杉山と申します。
東京の音響照明会社の映像制作部門で経験を重ねたあと、結婚・出産・移住を経て現在はフリーランスの動画クリエイターとして、企業の求人動画や地域PR動画、イベントの記録映像などを制作しています。
実は、この仕事を始めるきっかけになったのが、飯田市のビジネスコンペティションでした。
ビジネスコンペティションでの取り組みについては、こちらの記事でも紹介していただいています。
https://i-port.biz/p/10574/
その経験をきっかけに、映像制作の仕事として開業することを決めました。
「自分が育ったような環境で子育てができたら」。移住とその後の仕事
私は群馬県中之条町という山に囲まれた地域で育ちました。
自然の中で遊び、地域の人たちに見守られながら過ごした幼少期は、今振り返ってもとても豊かな時間だったと感じています。
その後、就職をきっかけに埼玉、東京、横浜で生活するようになりました。
都市での暮らしは便利で刺激も多く、さまざまな経験をさせてもらいました。
そんな生活の中で、子どもが生まれたこと、そしてコロナ禍を経験したことをきっかけに、働き方や暮らし方について改めて考えるようになりました。
自然のある環境で子育てをしたい。
自分が育ったような環境で、こどもにも成長してほしい。
そんな想いが強くなり、飯田市へ移住しました。
移住してきて感じたのは、地元とは少し違う空気でした。
自然もあり魅力的な地域ではありますが、最初の頃はどこか「部外者」のように感じることもありました。
地方の魅力は、地域のつながりが強いことだと思います。
ですが移住者にとっては、その輪の中に入るには少し勇気がいることでもありました。
もともと人と話すことが好きな性格の私は、初めて会った人にもどんどん話しかけてしまうタイプです。
今だから思いますが、この地域では少し変わって見えていたかもしれません。
飯田の方は、人見知りでシャイな方が多いと感じることもありました。
最初の「はじめまして」から積極的に話しかける人は、あまり多くなかったように思います。
それでもありがたいことに、そんな私の性格を温かく受け入れてくださる方がたくさんいました。
困ったときに助けを求めると、本当に多くの方に支えていただきました。
そんな中で私の強みである、人の話を聞き、想いを目に見える映像として分かりやすく表現する動画制作という仕事ならできると思い起業しました。
フリーランスは自由?実践して感じる、メリットと課題
フリーランスは自由な働き方と言われることもあります。
確かに会社勤めの頃と比べると、自分でスケジュールを決められる部分は増えました。
ですが実際には、こどもが保育園に行っている時間が仕事の中心になります。
撮影や打ち合わせをその時間に入れ、編集などの作業はこどもが寝た後に進めることも少なくありません。
周りからは
「好きなことを仕事にしていていいよね」
「キラキラしていていいね」
と言ってもらうこともあります。
でも実は、フリーランスは一人で会社を経営しているようなものです。
営業もしなくてはいけないし、少し苦手な事務の仕事もしなくてはいけません。
動画を1本制作するだけでも、打ち合わせ、ディレクション、企画、撮影、編集、チェックまで、全てを自分一人で行っています。
決して、好きなことだけをしているわけではありません。
それでも、自分がどのくらい働くのか、どのくらい家族と過ごすのか。
どんな時間の使い方をするのかを、自分で決められることは、この働き方の大きな魅力だと思っています。
フリーランスとして働く中で、人とのつながりの大切さも強く感じるようになりました。
i-Portのイベント「チャレンジャーズ・ミートアップ 」などを通して、地域のさまざまな方と出会う機会がありました。
異業種の方々とつながることで、新しい仕事につながることもあります。
また、iPortでは融資や助成金などのサポートもあり、フリーランスや起業を考える人にとって心強い存在だと感じています。
こうしたつながりがあることで、一人で働いていても孤独を感じにくくなりました。開業して丸2年が経ち、ようやく少しずつ仕事も安定してきたと感じています。
現在は映像制作の仕事のほかに、飯田市の移住コンシェルジュとして移住相談に関わったり、「〜移住と飯田を結ぶ〜sotto mamarie」や「ゆいママ」といったコミュニティを通して、地域で子育てをするママたちのつながりづくりにも取り組んでいます。
フリーランスをめざすママに、いま伝えられること
正直に言うと、私は「ママの起業を100%おすすめできる」とはまだ言えません。
パートナーとの関係や、こどもを預かってくれる環境、そしてクライアントの理解など、さまざまな条件が重なって初めて成り立つ働き方だと思っています。
それでも、子育てと仕事の両方を諦めなくてもいい可能性があるということは、伝えていきたいと思っています。
「なんとかやっていける」
そんな現実があることを、同じように悩んでいる人に届けられたら嬉しいです。
こうして活動を続けてこられたのは、関わってくださる方々や応援してくださる方々の存在があったからこそだと感じています。
映像制作という仕事は、一人で完結するものではなく、多くの人との関わりの中で成り立つ仕事です。
AIが急速に進化している時代だからこそ、人と人との関係や、地域で生きる中で生まれるリアルな経験の価値は、これからますます大切になっていくのではないかと感じています。
これからも映像という手段を通して地域の魅力や人の想いを伝えながら、地域で暮らし、働く人たちの姿を届けていきたいと思っています。






