前回のデコちゃんを営む田中晃さんからご紹介を頂いたのは、りんご農園の天龍峡農園の3代目の妻として農園で働く松尾真由美さん。

お話を聞きにおじゃましたのは1月。
りんごの収穫や、主な出荷も終わった時期のりんご農園。なかなか見ることのできないオフシーズンのりんご畑の様子も見せていただきながらお話しをお聞きしました。

阿智村出身の真由美さんは、「天龍峡農園」3代目の夫、寿さんとの結婚を機に4人のお子さんを育てながら20年以上この地で働き、生活をされています。

天龍峡農園の創業は昭和5年。
養蚕が盛んだった当時、この天龍峡周辺一帯は桑畑が多く、日本の三代桑園の一つとしても栄えていましたが
時代も移り変わっていく中で、桑畑に替わる新たな挑戦としたのが「りんご」。

初代のおじいさんが、栽培に関して学ぶ為に長野市へと足を運ぶ中で目にしたのが、善光寺帰りの観光客がりんごを持って帰る姿。
それを見て、りんごを栽培し出荷するだけではなく、観光地である天龍峡を訪れた方の楽しみにとりんご狩りも体験出来る観光農園にすることを決め、
南信地区では先駆けとなる早さで、大きな規模でのりんご園をスタートされたそう。

そんな話を聞きながら、見せていただいたこの木。 

「日本一太いかも!」と言われる程に立派なこちらは
樹齢はなんと60年のふじの準原木、直径80㎝樹周240㎝の老木!

大切に育てられているその木には、
2代目のおじいさんの手書きの案内図と共に力強い存在感がありました。

「今の話は全部、先代のおじいさんおばあさんから聞いた事。こうやって話をすると皆さん興味持ってくれる方も多くて喜んでくれるからね。」
と気さくにお話ししてくださる真由美さん。
りんご狩りに来て、こんな風に色々とお話し聞きながら楽しく迎えてくださればこの場所のファンになってしまうなー。
またりんご狩りの季節になったら足を運びたい気持ちになりました!
(りんご狩りは、入場料で一日農園内で過ごす事ができ、お弁当を持って1日ゆっくり過ごされる方もいるそう!)

→収穫シーズンの写真は無いので是非、天龍峡農園ブログ(http://tenryukyofarm.blog8.fc2.com)もご覧ください!

収穫が終わってから、春が訪れて次のりんごのシーズンを迎えるまでの準備作業や、
出荷のピークは終えましたが、年が明けても常連さんからの連絡も多く、そんな方々への出荷作業を行ったりするのが冬の日々。

剪定した切り口に薬を塗ったり、(切り口から病気にならないため)

日光から木々を守る為の日焼け止めに似た効果のある石灰を塗ったり。

木々の剪定をするのが寿さん。その後のメンテナンスを真由美さんが行っているそう。

そして、この日はジュース用に出荷するりんごの作業をしていた寿さん。

「こんな手間かけないで、普通はみんな穴ほって捨てちゃうんだけど。こんな事やっているのはうちくらいじゃ無いかー?」
と、おっしゃっていましたが、去年は長雨の影響等もあり割れてしまうりんごも多かったそう。

「つる割れのあったりするものは、蜜がしっかり入っていて美味しいのだけど、その分すぐに悪くなっちゃうから売り物になりにくくて。
そんなりんごをこうやって手間かけてジュースにしても売れないとダメで。それでもうちは、ジュースも作っても気に入って買ってくれる人がいるから作れるんだよね~。」
そう真由美さんは教えてくれました。

天龍峡農園のジュースをお土産に頂いたのですが
すりおろされたりんごも入っていて
とても美味しい元気の出るりんごジュースでした! 

そして、りんご狩りに来たお客さんにも案内するという農園から出て徒歩1分。天竜川を見下ろせる龍角峯へ。
思わず深呼吸をしたくなるこの景色。
「近くに新しく、立派な遊歩道『そらさんぽ天龍峡』もできたけれど、ここからだと渓谷が間近にきれいで、遠くの山まで見渡せて気持ちがいいよね」と真由美さん。

そんな景色も良い場所で、真由美さんも主なメンバーとして活動されている、昨年、天龍峡で始まった朝市「りゅうの朝マーケット」の話をお聞きしました。

天龍峡で商いをされている方々と「天龍峡で朝市をやりたいね。」
そんな話が持ち上がり形になったのが、朝7時から9時まで地元の採れたて野菜や果物、クラフトや飲食での出店が集まる朝市の開催。

コロナ禍の影響で天龍峡一帯も客足が遠のく中でしたが、
地元のお客さん中心にたくさんの方に来ていただいて大盛況。
2020年7月に1回目を開催してから12月末までに、なんと21回を開催されたそう。

そんな大好評なイベントを支えるメンバーとして真由美さんは
「看板出したり、交通整備したりする裏方も必要だからね。」そんな風にお話されていましたが
きっと何をするにも大変な時期に好評なイベントを開催するにあたる大きな力になっているんだろうな。そんな風に感じました。

また、日々のりんご農園のお仕事に加えてイベントの運営に関わるのは大変そうですが、それについても聞いてみると
「りんご狩りに来たお客さんたちとは、たくさん会えるけれど基本は家族で運営している農園だから、こうやって外の人たちとの繋がりを持って何か出来る場所があるっていうのは、忙しいけどとても楽しいよ!ちょうど、末っ子が去年社会人になって手が離れたからタイミング的にもちょうど良かったしね。」とも話をしてくださいました。

再び、農園へ戻り見せていただいたのはこちら。

剪定で落とされた木々を切って薪に。

その薪が焚かれる先は、五右衛門風呂。
しかも、天龍峡温泉の源泉を引いてあり、そのお湯を沸かしているとの事。
「天龍峡温泉水は源泉でもそんなに温度が高く無いから、どこも何かしらで沸かしてるんだよね。」

真由美さんの日常におじゃまさせていただきながら、
「飯田や、この天龍峡の好きな所ってどこですか?」とお聞きすると
「やっぱり、果物も野菜も食べ物が美味しいよね。美味しいものを自分たちで作って食べれるし、周りの人たちにおすそ分けしたりもらったりも出来るそんな関係性も心地良さや人柄も良い所だよね。」
そう教えてくださいました。