中小企業診断士の内山です。起業家や経営者の皆さんが訪れる「相談窓口」。みなさんどんな悩みを抱えているのでしょうか?

このコラムでは、中小企業診断士に寄せられる「よくあるお悩み相談」を10位から順番にご紹介しながら、一般的な対応方法についてもご紹介しています。

いよいよトップ3に突入です!第3位は…「プロモーション(広報・宣伝活動)」です!

調べると情報量が多すぎる「プロモーション」の世界

取り組んでいる事業を多くの人に知ってもらい、利用してもらいたいと思うのは、どんな内容やターゲットの事業でも共通すること。伝えたいビジネスの内容や魅力などを発信する広報宣伝活動を、ここではまとめて「プロモーション」と呼びます。

「やっぱりホームページは必要でしょうか?」

「今の時代はホームページではなくランディングページが重要と聞きましたが?」

「やっぱりSNSを運用しないとダメでしょうか?手が回らないのですが」

「インスタはやらなくてもよいけれどラインはやった方がよいと聞きました」

「いや地方はやはり紙媒体がいまだに効果がある!どう思いますか?」

「やっぱり一番大切なのはクチコミだと思うのですが」

・・・相談窓口で対応していると、プロモーションについてこんな感じで次々と相談を受けます。

プロモーションの方法や効果については、ネットの世界でもさまざまな情報が飛び交っています。またリアルの世界でも、「あの店はSNSを使ったら集客に成功したらしい」「いやあの店は新聞折込を使ったら集客に成功したらしい」といった具合で、やはりさまざまな情報が飛び交っています。

いったい何から考え、手をつければよいのでしょうか!?迷っちゃいますね。

ポイントは「目的→手段」の順で考えること

そんな時、私は少し冷静になって考えてみることをおすすめしています。

そして具体的に、最初に以下の3つのことを質問し頭の中を整理してもらうことから始めていただいています。

【プロモーションの方向性を決める前の「目的」整理ポイント3】

①プロモーションしたい商品・サービスはなんでしょうか?
具体的な商品・サービス?お店の存在そのもの?お店のコンセプト?など
②プロモーションの目的は何でしょうか?
販売数の増加?販売単価の増加?新規客の獲得?リピート率の向上?など
③来てもらいたい顧客像(ターゲット)はどんな人々でしょうか?
どんなことに困っている人か?どんなことに悩んでいる人か?年齢性別地域など

この①~③の内容次第で、「選ぶ手段が変わってくる」というのは想像できますよね?

知り合いのお店が成功したプロモーションの手段が、必ずしも自分の店に必要なプロモーションの手段に当てはまるかは①~③次第でわからない、ということです。

とくに時間とお金と労力に限りのある小規模の事業者さんにとっては、成功確率が一番高いと考えられるものからしか手が出せないはずです。いきなり手段を考えるのではなく、一度冷静になって、目的→手段の順番で考えてもらった方が成功確率も上がります。

ちなみにこの①~③の質問は、プロの方にホームページやチラシの製作を依頼しても、たいてい聞かれる内容です。

現状も把握したうえで手段を考えよう


目的に加えて、「現状はどんなことをしているのだろう」と振り返ってもらうことも大切です。相談の際にはこんな表を使って整理してもらっています。

一般的に「AIDOMA」とか「AISAS」と呼ばれる、消費者の購買行動プロセスを考えるフレームワークの視点に、私が少し手を加えた表です。

使い方としては次の①~③を順番に考えてもらって、実行する手段を絞り込むというものです。

【プロモーション手段を絞り込むためのフレームワーク】

 ①いま実施しているプロモーションの手段を一番左の列に書き込む

 ②問題点を書き出す(動けていない、そもそも空白で何もやっていない、など)

 ③改善に向けた手段を絞り込む(たれが、いつまでに、なにをするかを落とし込む)

こうした表に書き出してみると、意外と「うちの店って広告にお金をかけていた割にはリピート対策を全くやっていなかったんだな」と言った具合に、これまでの行動のどこに問題があったのかを明確にすることもできます。この現状を把握することも、「選ぶ手段が変わってくる」着眼点のひとつになってくるので、相談の際にはあわせて考えてもらうようにしています。

いかがでしたでしょうか?次回のテーマは第2位の「売上高が下がっちゃった」です。お楽しみに。

(文責)

みすゞ中小企業診断士事務所 内山拓巳


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