はじめまして! I-Port「ハジメマシテ、飯田」の管理人をしている「港の管理人・うっちゃん」こと内山です。
このサイトにおける管理人は、仕事の一つ。
普段は起業家さんや経営者さんの相談窓口の仕事をしています。

「経営相談って、いったいどんなことを話しているの?」
「起業に興味はあるけれど、みんなどうやって具体化しているの?」

これまでに届いたフォロワーさんからの疑問にお応えして、ここでやわらかな起業相談室を開所したいと思います。

第一回目のご相談は
「起業に興味はあるけれど、なにから考えればいいの?」です。
お茶でも飲みながら読んでいただけるように、なるたけやわらかくお答えしたいと思います。どうぞよろしくお願いします!

起業への第一歩は、自分の理想を「具体化」すること

「地元の農産物を活かした飲食店を開きたい!」
「子育て中のお母さんがホッとできるカフェを開きたいのだけれど……」
「大きい会社ではできないサービスを提供する板金工場を開業したい」
「ITツールを活用して、地域活性化につながるような何かをしたい!」

私が働いている窓口には、起業相談だけで毎年40人~50人の方が相談に訪れます。
事業の内容も準備の状態も十人十色。事業を考えるポイントも実に沢山あるのですが、まず最初に行うのは「理想のイメージでよいので、具体的に5年後どうなっていたいか」ということを一緒に考えています。
たとえば上の例で言えば
・飲食店なら予約で満席の人気店のイメージか、ゆったりオーナーとの会話を楽しむイメージか
・カフェなら営業時間は昼のみか、ランチは提供するイメージか、プライベートとの兼ね合いは
・板金工場なら具体的なサービス内容は、品質・価格・納期どの点をウリにしたいか
・地域活性化はまず来訪者が増えるイメージか、それとも地元の人を巻き込むイメージか

などなど。まずはちょっとリアルで具体的な「理想の姿」を描いてもらい、そのうえで、次のことを一緒に考えます。
遠い未来について考えることは難しくても、5年後であれば、自分や家族の年齢、社会的なイベント、地域の様子など、かなり具体的な予想を立てやすい。これが、「5年後」という時間軸に設定しているポイントです。このとき、制約条件を考えてしまうと「あれがない、これがない」と「ないない節」になってしまうので、ある程度の実現可能性は考えながらも自由に理想を思い描いてみることをおすすめしています。

「なぜ?」を大切に、深く考えてみる

ひととおり具体的な「理想の姿」をイメージしてもらったところで、今度は落ち着いて「なぜその状態が理想なのか」と考え直してもらいます。

ご自身で考えた理想の姿なので、それはそれなりの理由があるはず……ですが、「なぜって言われても……」とかなり悩みます(私も一緒に悩みます)。実際には「なぜ」は3回くらい繰り返します。

なぜこの面倒くさい「なぜなぜ問答」をやってもらうのか?
それはひとえに「起業の本当の目的」をあぶり出し、再確認してもらうためです。
意見が割れるところかもしれませんが、私は起業することは「目的」ではなく「手段」だと考えています。
この「目的」を達成するために、本当に飲食店が、カフェが、板金工場が、ITがベストなのかを、「なぜ」の問答を通じて一度、立ち止まって考えてもらっています。
ここで再確認できた目的は、多くの起業家にとって「事業の軸」になっていくことが多いんです。

自分と地域の歴史を「棚卸し」

そうはいっても、自分自身と向き合うのは難しいものです(´Д⊂ヽ
そんなとき、ひとつの考え方として「自分の歴史を振り返る」という方法があります。

生まれてからこれまで、嬉しかったことは、悲しかったこと、よい出会い、決断、後悔……もっと簡単に言えば「面白いなぁ、すばらしいなぁ、よくないなぁ、何とかしたいなぁ」等々、心が動いたことを列挙してみましょう。

このプロセスで、自分自身が大切にしている「価値観」が見えてきます。
ここで見えてきた自身の価値観を踏まえて、なぜ起業したいのかを振り返ってみると、意外と「起業の本当の目的」が見えてきたりしますよ。

事業をしていれば、よいことも、悪いこともあります。
お客さんのニーズや周囲の環境も目まぐるしく変化します。
「理想の姿」と「起業した本当の目的」をキッチリ考えておくことは、
自分自身はもちろん、家族や関係者、お客さんや金融機関、従業員などに説明するときにも役立ちます。優先順位を判断するものさしにもなります。

彼を知り、己を知れば、百戦殆(あや)うからず。
これは、中国の軍事思想家・孫武の作とされる「孫子の兵法」に記されている言葉ですが、現代ビジネスの世界でも通用すると言われています。
お客さんは敵ではありませんが、やはりビジネスでも「己を知る」というステップを大事にすることで、よりたしかなビジネスプランが生まれてくると思っています。

さて、次回は今回まったく考えなかった「自分以外の人=お客さんのこと、取引先のことを考えてみよう」です。ではまた!