こんにちは! I-Port「ハジメマシテ、飯田」の管理人をしている「港の管理人・うっちゃん」こと内山です。いつもは飯田商工会議所と飯田市で運営している「チャレンジ起業相談室」で相談員をしています。

第一回目は「自分は起業してなにをしたいのか?」という、ご自身のことについて具体的に考えていただきました。いかがでしたでしょうか?

第二回目は「お客さんのこと、取引先のことを考えてみよう」です。登場人物がどんどん増えていきますよ!

どんな人に、どんなふうになってもらいたいのか?

当たり前のことですが、お客さんがいないとビジネスになりません。
当たり前すぎですね。

でも少し冷静に考えてみてください。
前回ご紹介した相談者の例を振り返ってみましょう。

「地元の農産物を活かした飲食店を開きたい!」
「子育て中のお母さんがホッとできるカフェを開きたいのだけれど……」
「大きい会社ではできないサービスを提供する板金工場を開業したい」
「ITツールを活用して、地域活性化につながるような何かをしたい!」

二つ目の「子育て中のお母さん」以外は、大切な「お客さん」の視点が欠落していると思いませんか?

「自分がやりたいこと」「自分ができること」をしっかり考えるのはとても大切なことです。困難を超えるためには熱い思いも不可欠です。地域活性化への貢献も素晴らしいと思います。

しかし一方で、

どんな人(お客さん)に、どんなふうになってもらいたいのか?
どんな人(お客さん)の、どんな悩み事を解決できるのか?

ということを冷静に考えることが、ビジネスをするうえでは不可欠です。

これは言い換えると、
「お客さん(相手)の視点(立場)になって考える」「商品・サービスを利用しているお客さんの姿を具体的に想像する」ということですね。

まずは、みなさんが思い描いている事業を、お客さんの視点で考えてみてください。
どんな人がみなさんの商品・サービスを求めていそうですか?
どんな人がみなさんの商品・サービスを利用して喜んでくれそうですか?
そしてその人たちは対価として、適正なお金を払ってくれそうですか?

客観的な情報を集めてみよう ~テーマを持ってアンテナを張る~

そうはいっても、お客さんの視点で考えるのはなかなか難しいことです。
偉そうにコラムを書いている私自身も、恥ずかしながら悩むことが多いです(´Д⊂ヽ

直感では「正しい、成功できる」と感じていても「本当に大丈夫?」と聞かれると、自信が持てなかったり、上手に説明できなかったりしますよね。統計やデータを分析するのも大変な作業です。

そんな方のために、私は普段から事業に関係する「テーマ」を設定して、日常の中で客観的な情報を集めることをお勧めしています。

たとえば、飯田市の場合は図書館には「ビジネス支援係」という係の司書さんがいて、質問すれば様々な関連図書を紹介してくれるんです。ご存じでしたか?
新聞や雑誌といった紙媒体を全部読むのは大変ですが、「テーマ」を設定して流し読みすると、気づかなかった情報にたくさん出合えるはずです。

買い物をしている時やテレビを見ている時、スマホを見ている時も同じですね。
世の中にあふれている情報からテーマに合致した使える情報を発掘して、手元にキープしておくのです(もちろん都合の悪い情報も同じです)。これが、想像力を膨らませる大きな手助けになってくれます。

ビジネスを具体化するためには、自分の思いやアイデアが「独りよがり」でないことを説明する機会が必ずあります。テーマを設定して普段から情報収集するとともに、気づいたときにはメモを取るなど記録を残しておくと、家族や関係者、あるいは取引先や金融機関などに説明をするときにも役立ちます。もしかすると思わぬところにビジネスチャンスが眠っているかもしれませんよ!

仕入れ先や外注先のことも考えてみよう

最後に、事業を考えるうえで仕入れ先や外注先の存在も忘れてはいけません。取引先というと、お客さんをはじめとする販売先に目が向きがちですが、仕入れ先や外注先も「単独ではできないこと」を一緒に解決してくれるパートナーであり、起業の場合は客観的な情報を提供してくれる「よき先輩」であることが多いです。

おなじ商品・サービスだったとしても、どこの原材料を使用するのか、誰にどの工程を任せるのか(自分はどの工程に集中するのか)、どういう方法で流通させるのか、といったように、仕入れ先や外注先を変えるだけで、事業の構造がガラリと変わってしまうこともあります。

「自分がやりたいこと」「自分ができること」の整理ができたら、次のステップとして取引先になる可能性のある事業者さんとコミュニケーションをとってみましょう。同業者からは聞けないような、具体的で客観的な「業界情報」や「現場の声」がもらえるかもしれませんよ。

いかがでしたでしょうか!?

正直なところ、今回の話題はビジネス本やマーケティング本で様々な意見やテクニックが紹介されています。言い換えれば、何が正しくて何が間違っているか混乱する話題でもあります。そうなった時は「自分は起業してなにをしたいのか?」に立ち戻ってください。きっと正解が見えてくるはずです。

次回は「商品・サービスについて考えてみよう」です。
だんだん具体的な話になっていきました!それではまた。

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