「ばあちゃん、どこか行きたいところある?」
そんなことを聞くと、
「キング堂だね。要るものがあるからさー。」
もっと食べたいものとか、見たい景色とかそんな事を期待してみたら思いっきり実用的な答えだったのですが、飯田の街中へと向かってみることにしました。

このなんともキュートなロゴで迎えてくれる大きな文具屋さん。
ばあちゃんがお習字の紙だったり、文房具を買いに通っていたところ。
この日も、そんな類の買い物かと思えば黄色の水引の熨斗袋を一つ。
もっと近いところでも買い物できるであろうに、これを買うのはここのお店。
そんなルールがばあちゃん達の生活の中にはしっかりあって、ちょっと羨ましくも思ったり。
すぐに終わったお買い物の後には、やっぱり美味しいところへ。

ここを通るといつもワクワクする、くるっと回る吾妻町の交差点。(ラウンドアバウトと言うらしいです。)
この交差点からすぐのところにある
『かつ禅』さん。

とっても気持ちの良くて、美味しくて、ドーンと贅沢お昼ご飯。

箸置きも、飯田らしい感じがこれまた良い気分に。

私の食べたのはロースカツでしたが、ばあちゃんの食べたヒレカツも柔らかくて本当に美味しくて、
ばあちゃんでもお腹は満腹だけれど胃もたれも無く大満足。

満足したお腹を抱えて、帰り道。
いつもとは違った道で遠回りしながら松川町へと帰ります。

途中で立ち寄ったお寺さん。
高森町の大島山瑠璃寺(だいとうさんるりじ)。

もう、しっかり秋なんだなあ。と思わせるような葉っぱの落ち方と立派な桜の木。
春に来たら圧巻だろうなー。

そして、気になった存在の元へ。

ピンコロリ地蔵さん。
聞き馴染みのある、「ピンピンコロリ」
この言葉の発祥は高森町と記されていました。
勤勉で人情の熱い人々が天竜川の段丘に栄える土地で豊富な野菜や、美味しい果物を作る人々だからこそ。そんな様子と共に、繁栄を祈ったお地蔵様でした。

帰り道のお土産には、お地蔵様の言葉も聞きつつ
りんごだけではない、秋の伊那谷の旬の美味しい果物をたっぷりと連れて帰りました。

ここで、ご報告があります。
このコラムに登場してくれていた、じいちゃんが令和元年9月に他界致しました。
最期の方で、しきりに言っていたのは
「兄弟は大切に。」
なんとなく当たり前のことだよな。と思っていましたが、遠くに暮らすじいちゃんの弟たちがお葬式に際して集まった時の姿の兄弟それぞれの立ち回り的や役割が、仲が良い。の言葉だけではない存在に
仲良し家族なだけではなくて、共に大切にできるって大事なことなんだな。と、教えてもらった気がします。

そして、じいちゃんがいなくなって間もない日々で寂しくはありますが
ばあちゃんには、「ピンピンコロリ」とはまだまだ言わずに、元気に長生きしてもらってあっちへもこっちへも、美味しいもの食べたり、
ゆっくりと良いものを景色を眺めながらおしゃべりたりしながら
一緒に歩いて楽しみつつも、いろんな事を教えてもらいたい。そんなことを思います。