赤ちゃんの泣き声にも、コードを当てはめてました(笑)

——3年ぶりとなった地元ライブでしたが、感触はいかがでしたか。

Coba-U(以下C) もう、うれしさが半端なかったです。忘れられているかもしれなかったのに、こうやって足を運んでくれるという尊さ……。幸せをかみしめています。

——長年のファンの方もいらしていたようですね。

C はい、県内だけじゃなく、県外からも。嬉しかったです。

Coba-U 写真 © 内山温那
写真=内山温那

——2014年春から産休に入り、現在までの生活は、どのような日々だったのでしょう。

C 「初めて」の連続の日々でした。上手く言えないんですが、自分の中で作り上げたものを、一回全部ひっくり返される。そんな貴重な体験をしてきた気がします。身の回りの些細なことでも「こうしたい!」がなかなか叶わない。
そうなったとき、自分を客観視しては「あ、新しい世界を見ているんだな」という気持ちになりました。大変さも多いですが、人生の素晴らしさや深み、感動を噛み締めているときなんだろうな……。

でも、そんな毎日の中にも音楽を感じる瞬間はたくさんあって。たとえば、子どもってすぐにオリジナルの歌を作るじゃないですか。それが楽しくて「おっ、いまどうやって歌ったの?」なんて聞き直して、譜面に起こしたりもしてました(笑)。

あと、もっとさかのぼれば、産院にいるときにいろんな赤ちゃんの「オギャー!」の泣き声に出会ったのは楽しかったですね。一人ひとりが個性的で、サウンドが違うんですよ。それを聴きながら「この子は、顔立ちのわりにマイナーコードだな……」なんて、コードに当てはめて聞き入ったりして。

——そこも音楽で捉えていたんですね(笑)

C (笑)

あと、私自身はやっぱり、歌をうたうのが日常で。家の中でもいつも歌っていたけど、仕事から離れているぶん逆に、「真髄」をみたような気がして。肩の力が抜けたのかな。かなり良いインプットの日々になりました。

——それで、満を持しての活動再開となった。

C はい。お休みをしたからこそ、こうやってまた新鮮な気持ちで始めることができたんだ、って思っています。

「ハジマリ」の年だから気付けた、出会いの幸せ

——これまで、「レゲエドール」のイメージが強くありましたが、新曲はまた違った印象です。

C これまでも、レゲエだけじゃなくロックとか、ディスコとか、いろんなジャンルに挑戦してきたんです。自分が弱ったとき、ホッとしたいときに支えてくれたのはレゲエだけれど、幅広いジャンルのクリエイターさんに出会ううちに「私、いろんな音楽に触れていたいんだ」ということにも、気づくことができました。

だから、レゲエだけにはこだわらずに、いろんなジャンルをCoba-Uらしく歌っていけたらと思っています。

これまでにリリースしたレコードの一部。写真=Coba-Uオフィシャルブログより提供

——今回の新曲誕生にも、新たなクリエイターとの出会いがあったとか。

C 作曲のクニ杉本さんは、SNSで連絡いただいたんです。それで曲を録音したら、次はデザイナーの杉本千咲さんがPVのアニメーション作ります、って言ってくれて。ライブするとなったらデザイナーで手芸作家の星川優香さんが衣装をまかせて!と言ってくれて、私の思う衣装デザインやイメージを伝えて作っていきました。本当にありがたい繋がりがたくさんうまれています。

じつはお休みの間に、レコード会社のスタッフ体制が変わったり、逆境はあるんですが、こういう幸せな出会いもある。だから、自分さえしっかり立っていれば大丈夫なんだって思えました。

——来年は、デビュー10周年ですし。

C そう! ぜんぜん意識できてなかったんです。最近教えてもらって(笑)。こういう節目や、変化のときに出会える人、気にかけてくれる人って、この先も大切な人になっていくんだろうなって、感じています。

思い出のふるさと・飯田は「家族をたいせつにする街」

——飯田での3年ぶりのライブには、思い入れがありましたか。

C すっごくありました! むしろこのライブが決まったことが、新曲を作る大きな原動力になったんです。

——となると、制作期間は……。

C 完パケる()まで、2ヶ月ちょっとでした。ほんとうにギリギリ! で、クリスマスプレゼントとして飯田のみなさんにCDを届けたかったから、昨日も徹夜で(CDを)焼いていたんです(笑)。

※完全パッケージ=楽曲の編集作業等がすべて終了した状態のこと

Coba-U YouTube アカウントより

——飯田の街には、どんな思い出がありますか。

C 飯田は「家族で動く街」っていうイメージ。昔も今も変わらず、みんな家族単位を大事にする感じ、ないですか? 私はいつも、お年寄りからお子ちゃままでみんなが楽しめる歌を届けたいって思っているけれど、そういう感覚も、飯田で身につけたものかもしれません。そう考えると、やっぱりここが原点ですね。

最近の飯田は、「りんごん」や「お練り」以外にも、新しいイベントが増えていて、私も出演させてもらったりしています。小さなころに幸せをもらった場所に、シンガーとしてありがとうのお返しができるのがすごくうれしい。みなさんの反応も、とてもあたたかいです。飯田の人たちってちょっとシャイで、ノリノリの曲もやさしーい手拍子で聴いてくれたりして(笑)。

でもずっと、長く愛してくださるんですよね。

——新曲も誕生して、いよいよ本格的に活動再開ですね。今後の豊富を聞かせてください。

C うーん、えいえいおー! っていうような、ものすごい意気込みとかではなくて。(笑) はじめて家族の前で歌をうたったあの頃から変わらずに、おばあちゃんになっても歌っていると思うから、これからも、ほんわかあったかい世界を作っていきたいです。

だから、それを突き詰めたライブなり、フェスなりができたらいいなあ。みんなが来られる、子どもからお年寄りまで楽しめるCoba-Uアミューズメントパークみたいな……。それは、ずっと前からの夢です。

——最後に、シンガーとしていま再び「ハジメル」を体験しているCoba-Uさんから、「ハジメマシテ飯田」へメッセージをお願いします。

C ゼロからハジメることって、とてもパワーのいることだと思います。

でも、ハジメルみなさん自身が、ワクワクドキドキしながら、作り出していたら、そんな、盛りだくさんのワクワクドキドキが伝わっていくんだと、おもう。

「ハジメマシテ飯田」が、どんな世界を作り出すのか、とても楽しみにしています。

がぉ。

 

地域戦隊カッセイカマン http://kasseikaman.com/ とともに 写真=内山温那

 

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