2022年度から始まった、I-Port.biz主催のリアル起業家交流会「Challengers MEET UP」。
2025年度は、はじめて“いいだ創業塾”と連携し、7月5日(土)に飯田商工会館にて開催されました。

当日は、世代も立場も異なる方々が集い、真摯にビジネスと向き合う時間に。

「自分にこんな挑戦ができるのだろうか」、「この不安をどう乗り越えればいいのか」。
そんな迷いや模索を、交流の縁が少しずつ形に変えていく…。本記事では、その熱意と学びが交差するひとときをご紹介します。

第1部:ビジコン受賞者によるピッチと講評

会場には、約30名の起業家や、これから起業を目指す方、起業に関心を寄せる方々が集まりました。午前中の「いいだ創業塾」から引き続き参加された方も多く、開始時点から会場にはほのかな熱気が。
そんななか実施された最初のプログラムは、「飯田市起業家ビジネスプランコンペティション(ビジコン)」受賞者によるピッチトーク(短時間で行うビジネスプレゼンテーション)から。

今回、登壇したのはビジコン受賞者の2名。それぞれ7分間という限られた時間の中で、ビジネスアイデアに込めた想いや現在抱える課題、今後の展望などを語りました。限られた持ち時間の中で、自らの言葉でまっすぐに語る先輩起業家の姿に、会場からは熱い視線が注がれていました。

講評者には、日本政策金融公庫伊那支店の支店長・山口栄さんと、地元の人気飲食店「カレーの大原屋」オーナー・尾澤章さんが来場。実践と支援の両面から、起業を後押しするアドバイスが届けられました。こうした講評も、このプログラムを印象づける大きな要素のひとつ。具体的かつ実践的な視点に富み、大変聞きごたえのある内容となりました。

起業家ピッチ1:宮澤知未さん【お好み焼き 4resT(フォレスト)】

2013年に大阪から飯田市へUターン。10年に及ぶ飲食店での経験をもとに、2025年3月に開業。三児の母でもある宮澤さんは、仕込み・営業・育児・片づけと多忙な日々のなか、「おいしかったよ。また来るね」と声をかけてもらえる店を目指して奮闘中。「年老いても『まだお好み焼きを焼いてるの?』って言われるくらい頑張りたいんです」と話す様子に、同業である講評者の尾澤氏からは具体的なアドバイスとともにエールが贈られた。

学生時代に頻繁に参加していたビジネスマッチング交流会での経験が、今の事業スタイルの根幹を支えていると語り、目的を見据えて経験を無駄なく戦略的に活かす姿勢には、一貫した視点と行動力が感じられました。

起業家ピッチ2:大平雲龍さん龍鵬商事株式会社・令和5年度飯田市起業家ビジコン入賞

Uターンして地元・飯田で起業した大平さん。現在は、飯田市議を務めるかたわら、卸売業から空き家の活用、地域情報サイト運営など多角的な事業を展開。「地元を盛り上げたい」という思いを軸に、新たな試みに次々とチャレンジしている。持ち時間の7分ぴったりで語られたプレゼンテーションに一同思わず拍手。講評者の山口氏からはビジネスを展開させるための「時間の使い方」について質問が投げかけられた。

第2部:参加者全員参加の グループトーク

参加者が5つのグループに分かれて自己紹介や事業紹介、悩みの共有などを行いました。講評者やI-Port.biz編集部スタッフ、飯田商工会議所の皆さんも各テーブルに入り、打ち解けた雰囲気の中での対話が繰り広げられました。

▼参加者の声(一部紹介)
※一部内容を要約・調整し、アイデア保持の観点から具体性を控えめにしています。

・地域での循環型の取り組みを模索する男性:「地元をもっと魅力的にしたい」

・伝統文化に関わる女性:「地域の良さを、もっと多くの人に知ってもらえたら」

・暮らしに根ざした資源活用に関心のある男性:「日常の中でできる工夫を広げたい」

・スモールビジネスの可能性を探る女性:「まずは身近な形から始めてみたい」

・学びの場づくりに取り組む男性:「困っている人にとっての“入口”になれたら」

そのほか、会場のあちこちのテーブルからは、「Googleマップってどう活用してる?」、「AIやSNSって、実際どう使えばいいんだろう?」といった、テクノロジーにまつわる情報交換を求める声も。気になっていること知りたいことを率直に話し合い、、知恵を持ち寄るあたたかな雰囲気がとても印象的でした。また、子育てや介護と並行しての起業、健康や医療をテーマにした事業、情報発信の工夫など、暮らしや仕事に根ざしたリアルな声も交わされていました。

イベント終了時間を過ぎても、会場内では名刺交換や談話が続き、参加者同士で写真を取り合う和気あいあいとした姿も見られました。

次回は12月に開催予定。
初めての方はもちろん、これまでにご参加いただいた方も、ぜひまたこの交流の場へお越しください。