glovers(グラバーズ)北村です。今年度も美容師の僕が出会ったステキな方を紹介する「いいだ、いい顔」をよろしくお願いします。

今回は、名古屋から飯田市のなかでも山あいの上村というエリアへ家族で移住した、三浦七月さんをご紹介致します。

三浦さんは長男長女の二児の母。移住のきっかけはこの二人の子の健康のことでした。
最初は長女を出産して半年後のこと。長男がひいた風邪が長女に移り気管支喘息を発症し入院をすることになったそう。その後もお同じ理由で入退院を繰り返し約1年間で7回も入退院をしたそうです。

七月さんが生まれ育ったのは名古屋。「砂ぼこりと排気ガスで空気が澱んでおり、まだ幼い二人が外で遊ぶには過酷な環境」と七月さんは感じていたそうです。公園が大好きな子ども達の希望を叶えるために、自宅から1時間離れた広い芝生がある公園まで車を走らせる日々。夏は気温が高く外遊びが難しい為、屋内施設に遊びに行くとそこで風邪をもらってしまう……長女の喘息は悪化し続け、家にこもって休日を過ごす状況が続き、七月さんも名古屋での日々に限界を感じていたと話します。

頻繁に長女が入院をするたびに、長男はすでに上村へ移住していた七月さんのご両親のところへ預けられていました。山遊びが気に入った長男から「上村に住みたい!」との一言が。多少の不安もありましたが、長男長女がのびのびと遊ぶ姿を見て上村への移住を決意したそうです。

移住してからというもの、子どもたちはぱったりと風邪をひかなくなった、と七月さん。長女も4年間1度も入院をすることがなく元気に過ごすことができたそうです。「空気は澄み切っていてマイナスイオンで溢れている! 川の水も飲めるくらいキレイ! 排気ガスも少なく砂ぼこりが舞わない!」という、飯田に暮らす私たちが忘れがちな自然のありがたみに感動したそうです。お話を伺っていて特に印象的だったのは「子どもたちに安心して土を触らせられる」という言葉でした。今では夏になると近くの川で水遊びを楽しんでいるそうです。

ロッククライミングに通っている子供たちは河原も遊び場に。

上村から世界のリーダーを育てよう! 物語はここから始まった

もちろん、上村の暮らしで「足りない」と感じることもありました。七月さん家族が移住して最初にぶち当たった壁が、上村は子どもの数が少なく長男が続けてきたサッカーができないことでした。それを目の当たりにした七月さんは「子どもたちがサッカーできるくらい上村小の人数を増やしたい!!」と決意。そんな時、当時の教頭先生だった葭本(よしもと)先生から「三浦さんは以前、歌をやっていらっしゃったのですね。もしよかったら子どもたちにゴスペルを教えていただけませんか?」と誘われたのをきっかけに全校生徒9人の子どもたちとのゴスペルの授業がスタートしました。

一生懸命練習し、みるみる成長をする子どもたちの歌声を聴き、感動して涙を流す人まで現れました。その時、七月さんは「これは全国に通用する!」と思い教頭先生になるべく多くの大会に出場させてあげて欲しいと頼みました。子どもたち9人の合唱チームが始動。少ない人数だからこそ1人1人が輝けるゴスペルで有名になって上村をアピールしよう!と意気込んで迎えたあづみ野公園早春賦音楽祭で、卒業生や転入性を合わせた11人だけの合唱チームが圧巻の歌声を披露し大きな話題に。

その後、伊那谷芸術文化祭、波田少年少女合唱団クリスマスコンサート、FM大阪山寺宏一プレゼンツちいさな音楽会全国大会(全国100校中10校のみ出場)で堂々の4位という素晴らしい結果を残しました。

また、飯田市議会でも歌い市議会だよりの表紙も飾りました。飯田市議会がステージとして使われるのは初のことだったそうです。

新入生1人を加えた10人でFM大阪山寺宏一プレゼンツちいさな音楽会全国大会「スキンブルシャンクス」と「オーハッピーデイ」


上村小のオモシロイところは他にもあります。たとえば、一人の先生が2つの学年を同時に授業行う「複式学級」を取り入れているのもその一つ。先生が片方の学年の指導をしている最中に、当番制で生徒が登壇し先生代わりの学習リーダーをしているそうです。そして授業では、みんなの前で発表をしたり、次の課題の指示をしたりと出番が数多くあるのだそう。そのおかげもあって子どもたちは自分の意見を伝えることが得意になり、年下の子の意見を聞き理解しようとする心の広い子に育っているそうです。「上村小から世界のリーダーを育てよう!」をモットーに学校全体で生徒1人1人が主役の教育が行われています。

子どもたちを上村小に通わせてみて七月さんは「上村小学校は先生をはじめ地域の大人がみんなで子どもたちと関わって育てていくので心が豊かな子に成長していて将来が楽しみです。大自然の中でのびのびと遊ぶ子どの達笑顔を見るたびに移住をして良かったなと感じます。今はまだまだ人数が少ないので少しでも上村小学校の教育方針素晴らしさを多くの方に知ってもらいたしと思い活動しています。」と語っていました。

お話を伺っていて、僕自身も飯田市の山あいの千代小学校の出身で同じように人数の少ない中で育ちました。当たり前のように過ごしていた自然のありがたみを感じました。思いっきり深呼吸をして、川に飛び込んで遊んでいた少年時代に、遊具がなくても自然の中で知恵を絞って遊び道具を自分たちで作り楽しく過ごしていた事を思い出しました。三浦さんのように住んでいる地元の可能性を広げる存在になりたいと思います。

近くの山で“こごみ(春の山菜)”を採っている三浦さんファミリー

ハジメマシテ飯田の読者のみなさんも「ウチの子も上村小学校に通わせたい!!」と思っていませんか?
そんな教育熱心な親御さんへ大切な子供を上村小学校へ通わせることができる「小規模特認校」について、次回のいいだ、いい顔でご紹介したいと思います。どうぞお楽しみに♫

次回は三浦七月さんの第2回目として、上村小学校の小規模特認校制度に関わった経緯などについてご紹介致します。

撮影&スタイリング

撮影中も話し始めたら止まらない2人。飯田市の地域のことや子育てについて毎回会うたびに話しが盛り上がります。

撮影前にgloversへご来店して頂き、カットやパーマをかけました。毛先を濡らした状態でトリートメント(右)とムース(左)を揉み込んでリッジミルク(中)で立体感を出しました。

コラム:北村崇綱(glovers 代表) 写真:佐々木健太