glovers北村です。今回の「いいだ、いい顔」は、「家族と向き合う時間を作る事の大切さ」を感じさせられるお話を聞くことができました。

ご紹介するのは、私の高校時代の友人でもあり、飯田市鼎(街中)から飯田市のなかでも山間地域である「上村地区(かみむらちく)」へと移住をした友人原佑亮(はらゆうすけ)さんです。

原さんは昭和58年5月生まれ。飯田風越高校卒業後、釧路公立大学経済学部へ進学し、卒業後は飯田市へ帰郷。
飯田市内の企業に12年間勤務したのち、平成30年に家族で上村へ移り住むことを決断しました。これを機に上村の観光事業を展開する(株)大空企画へ勤務する傍ら、今年5月「気功整体 源生」として開業することとなりました。

原さんの家族構成は妻、子供2人(小学2年生、保育園年長)の四人家族。いつも笑顔がたえない、愛情にあふれた仲良し家族という印象は、今も昔も変わりません。そんな原さんに、上村移住について語っていただきました。

━━移住のきっかけ、どんな想いで移住を決意しましたか?
原佑亮(はらゆうすけ)さん(以下、原さん) 平成30年4月に、長女が地元飯田市中心部の小学校に入学しました。この学校は僕ら夫婦、また両家の親も卒業した小学校でもあり、3代で同じ学校へ通えることを幸せに思っていました。しかし、保育園のころから独創的・マイペースを褒め言葉のように言われていた娘にとって、この小学校での生活は想像以上に戸惑いが生じた日々で。先生方も精一杯の職務を果たしてくれていると感じていましたが、35人を超える学級の難しさを親の視点からも感じていました。

長女が小学校あがったのと同じ年に始まった上村小学校の小規模特認校制度については、小規模ならではの教育環境を市街地に住みながら選択できるということで、入学以前から興味を持っていました。
早速制度を利用して入学されたお子さんは以前から家族ぐるみで親交があった他、(前回のハジメマシテ、いいだ「いいだ、いい顔」にも登場された)三浦七月さんらの情報をSNSで貰いながら、まず7月の学校説明会、続いて体験入学へと参加しました。

体験入学をしてみて、児童たちの挨拶の気持ちよさ、教職員、地域の方々、保護者が力を合わせて参加者を歓迎してくれていることを強く感じました。この説明会のあと、娘が言った言葉が「みんなでここに住むよね?私はここに住みたい。毎日ここで遊びたい」でした。娘は当時まだ6歳でしたが、この言葉にとてもしっかりした芯のようなものを感じ、彼女のその想いが家族の土台となり上村へと移り住む決め手になったと言っても過言ではありません。

僕たちは家族ひとりひとりが敬いあい、お互いの在り方を信頼しあって生きられれば、生活する場所がどこであっても幸せだと思っています。それがこのように自然豊かなアットホームな環境で、さらに娘が通いたいと思う学校があるならば願ったり叶ったり。引っ越しの準備から移住も含めて、地域をあげて迎え入れてくださったと感謝の想いでいっぱいです。その感謝の気持ちが「上村に根付いて何か貢献できないだろうか?」という考えに変わり、開業という流れに繋がっています。

━━上村小学校の小規模特認校制度について教えて頂けますか?
原さん  小規模特認校は、学区外からも特色ある学校を選択して通える制度です。通学のために飯田市内にもスクールバスが往復しています。
上村小学校の「特色」は、「複式学級」という授業スタイルをとっていること。児童数が減ってきたことから、上村小では特認校認定以前からこの方式を実践していました。
「複式学級」とは、異学年が一つの教室で一人の担任のもと授業を受けるものです。この方式により下の学年は必然的に上級生の内容に触れることができますし、上級生も下級生の存在を意識することで、先輩としてどのように振る舞うか自然と考え行動するようになり授業にも集中できるという利点があります。
さらに、テレビ電話を用いた遠隔授業(信州大学学生とのプログラミングの授業、海外の学校と繋いで文化と言葉の授業)や、霜月祭りをはじめとする地域の伝統文化を学ぶ時間を多く持つことで、地域の方の想い、伝統を受け継ぐ大切さを知る機会にもなっています。その他、近くを流れる上村川での川遊びを通して自然に馴れ親しむことはもちろん、注意しなくてはならないことを学び身につけるなど、自然豊かな上村ならではの学びもあります。

妻の葉月さんと

「特色あることをやっているから良い」ではなく、取り巻く環境と子ども達の気持ちに利点を感じて

まず、「複式学級」という学校のスタイルこの、特色ある授業を子供達が楽しく前向きに取り組めるよう、先生方が連携してくださっているのも印象的です。「個々の個性を尊重し、褒めて伸ばす」という姿勢は、僕が外側からも見ていてもよく分かります。「どの先生も子供たちへの愛情が深く、親として安心して子供を預けている」と、原さんは話します。

また、地域では、コミュニティスクールの一環として「かみむらっこ応援団」を結成し、学校の活動に最大限の協力をしてくれているとか。この協力の力がもっとも現れるのが運動会と文化祭。僕も昨年、初めて上村小学校と地域の合同運動会に参加しましたが、地域の方々が子ども一人一人の名前を呼びながら応援しているのを目の当たりにして驚きました。「子どもは宝」と、地域をあげての支援を惜しまない地域のみなさんの姿は感動的ですらありました。

さて、高校時代の友人の原さんが住む環境を変え、学校の先生、地域の方々の関わりからイキイキと充実した暮らしをしていることを嬉しく感じました。高校の頃から好青年で周りに優しく、相手を尊重する姿勢を持っている原さん。しかし、お互い36歳になり家族を養っていくという親としての責任を果たしていく上で働かなくてはなりません。この歳で転職をするのは勇気がいる事でもあり、これから「移住をしようかな?」と考えている方々が最も不安に思うことではないでしょうか?そこで後半は、原さんのお仕事のことから聞いてみました。

━━原さんの現在のお仕事について、聞かせてください。
原さん 現在は夫婦で「気功整体 源生」という整体院を営んでいます。東京まで何度も通い身につけた「松井式気功整体」を用いた施術を中心に、身体の冷えからくるさまざまな症状に着目し、骨や細胞へのアプローチから体質改善を目指すメニューを提供しています。上村にサロンを構えつつ、ご自宅や施設へ訪問もしています。

━━遠山郷に移り住んで、子どもとの関わりは変わりましたか?
原さん 何か劇的な変化をご紹介できればいいのですが……正直、家族どうしの関わり方に変化はないです。あいかわらずお互いの喜怒哀楽を尊重しあい、ひとりひとりを敬いあうことを基本にして生活しています。ただ、子どもたちが山の神さまに挨拶をして野山に入る姿、草花を摘むときに「いただきます」と伝えている姿を見て、それを教えてくれる保育園の考え方、上村で生きる者としてその考えを理解して受け入れ、実行する娘たちの姿勢が素晴らしいなと感じています。

原さんの活動を見ている側として、新たな仕事を営みながら、プライベートでも数々の活動に参加し人生初のミュージカルやアフリカンダンスにも挑戦する姿は羨ましく、また友人として誇りに感じています。美容室を営んでいる私は、お客様に原さんの事を何度も紹介してきました。今回のお話しも、“家族と向き合う時間“の大切さを改めて感じさせられるインタビューになりました。

躍動感あるアフリカンダンスで親子共演

━━最後に遠山郷で暮らしてみてオススメの点をお聞かせ下さい。
原さん
・ 保育料無料(今後全国的に無料になるが)
・ まちづくり委員会による、子育て支援助成金
・ 涼しい
・ 星空が綺麗
・ 空気が美味しい
・ 呼吸器疾患にも良い
・ 自然が多いのはもちろん、その中で生きる命との向き合いが濃厚
・ ジビエ料理が美味しい
・ 人柄が良い
・ 地域と学校、保育園が合同で行う催し物が素晴らしい

今回は娘さんの前髪を短くカット。前髪を切るときは三角形に分けて、優しく持って縦にハサミを入れて切るとうまくできます。
髪を前におろして細かい毛先の微調整をします。顔を上げ下げしないようにできるだけまっすぐ前を向くと失敗が少ないです。

上村小学校や、小規模特認校制度について興味を持たれた方は、ぜひ以下のリンクをご覧になってみてください。

上村小学校PR公式動画

小規模特認校制度の飯田市公式ページ

【気功整体 源生 お問い合わせ先】
電話:0260-31-0903
Eメール:yusuke@hara38.com
HP:https://hara38.com
Facebook: https://www.facebook.com/KikouseitaiGensei/
拠点:上村中郷周辺
上村中郷を拠点に、遠山のなかは出張費無料。
その他地域への出張は1,000円~(お問い合わせ下さい)

コラム:北村崇綱(glovers 代表) 写真:佐々木健太

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