時代の変化への対応も審査の基準に

 新規性、地域貢献性、実現可能性に加え、今年度はウィズコロナ・アフターコロナに向けて新たな商品やサービスを創出し、積極的に取り組んでいるかどうかという点も審査基準に。計26件の応募の中から「起業家部門」5件、「移住起業家部門」1件、「一般起業部門」1件の入賞者が決定し、この日、佐藤健市長から目録と盾が手渡されました。入賞者には起業奨励金最大50万円が交付されます。

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〈起業家部門〉入賞
waratte (ワラッテ)杉山豊さん(42)
飯田市の移住相談窓口機能付き自然体験農家民泊 waratte house

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 「移住相談窓口機能付きの自然体験農家民泊施設『waratte house』を営み、家族の新たな挑戦をサポートする」という杉山さんの事業は「社会的な課題をビジネスにつなげ、地域と密着し、活動してきた実績や経験が活かされた事業である」と評価されました。

 入賞者プレゼンテーションで杉山さんは「農家民泊を実際に行い、テストマーケティングを重ねる中で、宿泊者からよく出てきたのが移住相談だった。移住のニーズが高まる中で『生の声を聞きたい』という希望も多く、移住相談の窓口としても機能できる宿を考えた」と話します。「入賞できたことが心からうれしい。でも本当の勝負はこれから。移住者と地域の方、行政を気持ちよくつなぐ架け橋になれたら」と今後の展望を語りました。

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〈起業家部門〉入賞
増田佳世子さん(39)
開業!三穂の増田和菓子店〜フルーツ王国三穂のフルーツと伝統的資源を活かして〜

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 京都の老舗和菓子店「仙太郎」伊勢丹新宿店で7年間修行した経験を生かし、国の重要文化財である旧小笠原書院隣接の「お下屋敷」を拠点に「飯田市三穂地区の歴史や特産物を取り入れた和菓子を販売し、魅力を発信したい」という増田さん。この事業は「自身の経験を十分に生かせるプランであり、地元の材料で地元の方たちと協力して行ってくというコンセプトに好感が持てる。うまく行きお菓子ができれば事業計画以上の売り上げが期待できる」と評価されました。

 この日、体調不良で表彰式を欠席した佳世子さんに代わり、夫の伸二さんがメッセージを代読。「年間を通じて実る三穂のフルーツを使用した和菓子、小笠原家の家紋『三階菱』をかたどった和菓子の販売や、書院の風景を眺めながら自作の和菓子を食べる和菓子教室も考えている」と今後の展開を発表。地域の方々と協力しながらお下屋敷内に厨房施設を作り、開業は年明けを予定しているそう。「増田和菓子店のお菓子をぜひお召し上がりください」という言葉でメッセージは締め括られました。

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〈起業家部門〉入賞
小池清志さん(44)
夫婦で営む 食と体験の宿 まごころ/新島食堂(あたらじましょくどう)

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 飯田市上村に建つ築150年の古民家をリノベーションし「食と体験が楽しめる1組限定の宿『まごころ』と、地域の方も利用できる食堂『新島食堂』」のオープンを目指す小池さん。「事業に対する思いはとても素晴らしく、体験や食を求める方にとっては魅力的であり地域の期待も大きい」と評価されました。

 古民家に今も残る「かまど」を使ったごはん炊き体験、畑やお茶畑での収穫体験、これから飼育する予定のヤギの乳搾りやチーズづくり体験など「お客様に『まごころ』でしかできない体験を楽しんでもらいたい」と小池さん。また、地元の方々に親しんでいただくため店名に屋号を冠したという「新島食堂」では、ランチや会食、夜の営業も予定。「地元の方の協力がなければ上村で事業をすることはできなかった。地域の方々にも貢献していきたい」と語りました。

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〈起業家部門〉入賞
belieble 宮澤祐貴さん(35)
南信州産の食材とブラウニーを掛け合わせたフルーツブラウニーの製造と販売

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 信州初のブラウニー専門店として、南信州の食材をふんだんに使った唯一無二のフルーツブラウニーを提供する宮澤さんの事業は「ECサイトを活用した販売戦略、SMSを活用した情報発信、営業活動、高価格でも購入してくれるターゲットを絞っている点など、開業以降、堅実に事業を進められており成功する要素は多い」と評価されました。

 高校卒業後に上京し、Uターンした宮澤さん。東京生まれの妻・優菜さんとともに「食材や人、環境、さまざまな面で南信州に改めて魅力を感じている」と話し、「ブラウニーを通じて飯田はもちろん全国の人たちに南信州の食材や地域の良さを知ってほしい」「この魅力を世界にも伝えていきたい」と力強く語りました。

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〈起業家部門〉入賞
ボンドガール 片桐さと子さん(54)
紙バンドで作るカラフルバッグ

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 紙バンドというエコ素材で「カラフルで心がうきうきするバッグを作る」片桐さんの事業は「自身の特技・センスが反映されたデザインであり、技術力やデザイン性が商品価値を高めて販売実績もある」と評価されました。

 おしゃれでポップなデザインに加え、地元の方と協力してハンドルもオリジナルのものを使うなど高級感のある仕上がりに。若い方にも使ってもらえるようSNSでの発信にも力を注いでおり「ハンドメイドの価値と将来性を高めるとともに、人生100年時代に夢を持ってチャレンジする誰かの勇気になれたら」とコメント。「兵庫県出身で南信州に移住し、このような夢が実現できたことに感謝します。のびのびとした発想でこれからも努力していきます!」と明るく話しました。

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〈移住起業家部門〉入賞
合同会社つばめ
飯田下伊那の新しい学びの場「つばめ学習舎」

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 今回から新設された「移住起業家部門」第一号の入賞者は、合同会社つばめ・金田啓之さん(27)ご夫妻です。「飯田初の中高生向けコーチング型学習塾を軸に、飯田下伊那出身の私たちが欲しかった学びの場を作る」事業を計画。「少子化でも、子ども一人にかける教育費は増えており需要のある市場。顧客の絞り込みや他との差別化も図り、地域の教育に貢献している」点が高く評価されました。

 起点は学習塾ですが「ただ勉強を教えるだけではなく、コーチングという手法をつかいながら進路の選び方などもサポートしていきたい」と金田さん。加えて「飛び立った若いつばめたちが地元に戻って来られるようなコミュニティーを作り、受け皿としてUターンにつながる塾にしたい」と未来について述べました。

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〈一般企業部門〉入賞
サンタソウタデザイン 竹村 志保さん
CADに特化した人材育成教室の開業

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 建築系企業内の人材のCAD(2D・3D)スキルアップや、資格取得の支援事業を展開する竹村さん。「この地域におけるCAD技術者の不足は否めず、自身の経験を活かし、地域のニーズを汲み取ったカリキュラムで対応できる」ことが評価されました。

 飯田技術専門校と飯田高等職業訓練校で、約15年間CADの講師を務める中で、CADおよびICTスキルなど、より深い学びのニーズを感じたという竹村さん。飯田市上郷黒田で「ワイズCADスクール」を運営し、建築系企業への就職を目指す人材に対する指導をはじめ、子ども向けICT教室の開校なども計画しています。厚生労働省指定の教育訓練給付の指定校化も目指し「この事業が当地域に貢献できるものになると信じてこれからも事業を進めていきたい」と語りました。

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「入賞できなかったみなさんも、ぜひ再挑戦を」市長からも熱いエールが

表彰と各入賞者のプレゼンテーションに続き、今回の「飯田市ビジネスプランコンペティション」主催者として、飯田市長及び飯田商工会議所会頭よりあいさつがありました。

佐藤健市長は、本コンペが「地域を元気にする起業家を」という目的のもと、新規性や地元への貢献度を基準に審査が行われていることに触れながら、「今回の受賞者の皆さんのプランは、それぞれが個性に溢れており、飯田市にとってもこれから大切な事業になっていくと思います」とコメント。

応募に向けてプランの練り上げなど努力を重ねた皆さんや、伴走支援を続けてきた商工会議所の経営指導員の方々に敬意を表すとともに、「前回、入賞できなかった方が再度チャレンジして今回の受賞にたどり着いた方もいる。今回残念ながら入賞できなかった皆さんもぜひもう一度挑戦していただきたい」とエールを送りました。

笑顔で受賞者にエールを送る飯田市長・佐藤 健

商工会議所会頭の原勉さんからは、

「実は私もみなさんと同じように、40年ほど前に起業した一人。東京から地元へ戻り『何かしなければならない』と考えて飯田ケーブルテレビという会社を作ったのがちょうど33歳ころのことでした」と自身の経験を振り返るお話とともに「みなさんのように優れた起業家を育てていくのが商工会議所の果たすべき仕事。将来、飯田市の経済を支え、地域を引っ張ってくれる企業へと成長していってほしい」と、受賞者のみなさんに力強い激励の言葉を贈りました。

飯田市商工会議所会頭・原勉さんと、熱心に耳を傾ける受賞者の面々

 さまざまな思いを胸に、夢の実現に向けて大きな一歩を踏み出したみなさん。今後の展開にどうぞご期待ください。


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