2026年4月、飯田市育良町に装いも新たにスタートした新井歯科医院。院長の新井功秀さんは亡きお父様の跡を継ぐかたちで、8年越しに同名医院を再開させました。「美容室に行く感覚で、気軽に通える歯科医院を」。そんな想いで開業した新井さんは、現在TikTokやInstagramなどSNSを通じた発信にも力を入れています。動画撮影への思いや、手応えについてお聞きしました。
【飯田市I-Port支援事業】SNS動画で親しみやすく、わかりやすく。新規開業の歯科医師として、いま伝えたいこと│新井歯科医院・新井功秀さん(飯田市育良町)
診療時間は地域のリズムに合わせて。「土曜日午後も診療しています」
――前回の記事では開業に至った経緯やこれまで学んでこられた道のり、そして飯田市の新事業創出支援協議会「I-Port」を利用されたきっかけ等についてうかがいました。今回はもう一つ、これから患者さんに出会われていくためのプロモーションや、運営の方針についてお聞きできればと思います。
まずは運営の方針につながる「診療時間」ですが、それこそ24時間開いている歯科医院での経験も経て、現在はどのように設定されているのでしょう。
新井功秀さん(以下、新井) 平日が月火水金、午前9時から13時までと、14時30分から18時まで開いています。週末は土曜日の9時から13時、14時から17時が診察時間です。
――土曜日の午後も診ていただけるのはうれしいですね。
新井 そう言っていただけるとありがたいです。おかげさまで、土曜日のご予約がかなり埋まってきている状況があり、祝日もたまに開くことにしています。

新井 僕自身のタイプでいうと、できればずっと手を動かしたり、患者さんと接していたいほうで。木曜日も休みにせず、スタッフのみシフト制にするのも良いかな……など、考えているところです。今後どうなるかまだ未定ですが、ぜひお問い合わせいただければと思います。
――そのあたりも、まだオープンしたてということで、地域の皆さんのリズムを見ながらということですね。
新井 まさに。都会のように、夜遅くまで開くというイメージはあまり持っていないのですが、治療台も最大6台まで入れられる環境にしてあるので、地域での広がりとともにより多くの患者さんに不便なく訪れていただけるよう、診療時間も環境も最適化していきたいです。
――現在の患者様の傾向について、どのようなかたがいらしていますか?
新井 まずはやはり、地元育良町周辺のみなさんですね。なかでも平日の日中はご高齢の方が多いのですが、これまでの治療にご不安を抱えているというお話を聞く機会も少なくありません。
――より納得できる治療を求めて、期待を持って来られている。
新井 きっとそうですよね。都市部での患者さんに比べて、「会話で状況を伝えること」を重視されている方は多いかもしれません。ただ、そんなふうに「気軽に話ができる歯科医院」となることは僕の目標のひとつ。スタッフ一丸となってみなさんの「想い」を受け止められる場でありたいと思っています。

新井功秀(あらい・かつひで)
飯田市育良町出身。飯田高校を卒業後、愛知学院大学歯学部歯学科を卒業。神奈川県横浜市での研修後、愛知県名古屋市、山梨県でも勤務経験を重ねる。2026年4月1日、父が開業していた歯科医院と同名の「新井歯科医院」を飯田市育良町にリニューアルオープン。「誰もが入りやすい歯科医院」をコンセプトに、バリアフリー設計の新医院を設立、高齢者の口腔ケアから小児矯正まで幅広い治療に対応する。またSNSでも歯科予防などの情報を発信し、話題を呼んでいる。
SNSでは、かつての「星1つ」もあえて話題に
――新たな患者さんとの出会いの方法として、ぜひお聞きしたかったのが、SNSでの情報発信についてです。TikTokとInstagramで投稿されている動画は、どれもわかりやすく楽しいものばかりですね。
新井 ありがとうございます。日常の自分自身は話し役というよりも聞き役が好きなタイプなのですが、腹を括って発信をがんばっています。
Instagramに投稿されたリール動画より。医院のPRだけでなく、歯科医療の基礎知識など役立つ情報発信もおこなわれている
――こちらはもちろん、プロの方に依頼されているということですよね。
新井 はい。名古屋時代に出会った方が月2回ほど飯田に来て収録をし、動画をつくってくれています。
――とても楽しく、ためになるだけでなく、新井先生の優しいお人柄も感じられますね。反響はいかがですか。
新井 良い方だと思います。たとえば4月は1ヶ月で約200名の患者さんがいらっしゃいましたが、そのうち20名がSNSをきっかけに受診を決めてくださったそうです。
――1割の方がSNSで。これは大きいですね。SNS動画では、たとえば「過去に星1つがつきました」というような、一見ネガティブなこともポジティブに変えていける力があることを、投稿を拝見していて感じました。
新井 父の急逝によって治療が途絶えてしまった当時、星1つの評価をいただいたことですよね。こうしたことは隠すのではなく、ご迷惑をおかけしたことを反省しながらも今後への意欲を伝えたほうが良い、というのがお願いしている方の判断でした。僕としても、こうした伝え方ができて良かったと思っています。
――SNS発信のご予算はいくらぐらいかかっているのか、お聞きしても良いでしょうか。
新井 月5万円でTikTokとInstagram両方に投稿できる2〜3本のコンテンツの台本案作成から撮影、編集、投稿までを行ってもらっています。僕が苦手な分野なので、お願いできてとても助かっています。
注力したい、歯科矯正とインプラント。信頼を築きながら、「相談してみよう」と思われる存在に
――こうした発信を通じてめざしているのは、どのようなことなのでしょう。
新井 基本の虫歯治療や予防はもちろん大切にしながらも、僕自身が力を入れアメリカで資格をとったインプラントや、早期からのスタートをおすすめしたい歯科矯正について、頼れる医院になりたいんです。
とはいえ、何も知らずいきなり来院するのは難しいと思いますので、SNSでさまざまな発信をして知っていただき、「ここなら」と選んでもらえることを願っています。加えてもちろん、矯正した場合の日々の過ごし方やむし歯予防におすすめの方法など、歯科医療の基礎知識をお伝えすることで、正しい口腔ケアについて知っていただきたいという想いもあります。
――前回のインタビューでも、治療を生かしたり、お口の中を良い状態に保つために最も大切なのは、日々の過ごし方だとお話いただきましたね。
新井 そうなんです。そして、その「日々の過ごし方」を知るためにも、SNSはもちろん受診にも気軽にいらしていただき、わからないことはなんでも私たちに聞いていただけたらと思っています。
――ありがとうございました。







