前回の「タキイ農園」の瀧井夫妻からご紹介して頂いたのは、飯田市街地から1時間ほどの遠山郷にある「ゲストハウス太陽堂」の女将、水戸 幸恵さんです。

人が集う場所としてぴったりな大きな机のある土間や、壁一面に魅力的な本が並ぶ本棚。

綺麗に整えられてホッと落ち着く寝室(個室とドミトリーがそれぞれ2部屋ずつ。)

そして、そこに集うのは、遠山好き・山好き・旅好き・お肉好き、、、。

県内外から辿り着いた多くの人たち。そんな人々をホッとする距離感でもてなしてくれる素敵なお宿が「太陽堂」です。

以前は都内のIT企業で働いていた水戸さん「仕事や生活に不満がある訳ではなかったけれど、一生続けていくイメージはできなかった。」「屋久島で訪れた宿が好きでその地に通う様になり、そんな場所を自分で作ってみたい」といった思いから、日本国内のどこか田舎の地で「人が集まる宿を作る為の場所」としてのゲストハウスを開くことを決め、まずは場所探しからスタートしたそうです。

水戸さんがゲストハウスを作る時に探していた場所の条件として必須条件だったのは、この3つ。

・山を楽しむゲストさんにも利用するのに良い場所(水戸さん自身も山登りが趣味であるため)。

・宿での夜ご飯の提供はしないので、ゲストさんが利用出来る飲食店や自炊する為の商店が近くにある事。

・歩いて行ける距離に温泉がある事。(徒歩圏内にあった「かぐらの湯」は現在休業中。近くの旅館をご案内している。)

物件を探し始めた当初は難航していましたが、偶然も重なり、縁のある方からの紹介で出会えたのがこの場所。決まってからはグッと話も勢いよく進み、太陽堂は2019年7月にオープンしました。

開業してから半年ほどでコロナ禍となり、事業の始まりは想定とは違ったなかなか人が集まりづらい状況。けれど、ここ一年程で旅人やツーリングを行う方も動き始め、更にはリモートワークが進んだことにより長期滞在をされる方も多く訪れていると言います。

初めて訪れる人もそうですが、遠山で、太陽堂での過ごし方を知っているリピーターのゲストも増え、「2022年は本当に、楽しかったよ〜!」と、水戸さんの思い描いていた宿の景色がたくさん広がった一年となったそう。

そんな人々が集うゲストハウス「太陽堂」で過ごす時間の中で欠かせないのは、夜の時間。皆で食卓を囲みながら過ごす時間。そして、その時間に欠かせないのが美味しい料理と美味しいお酒。

水戸さんのご案内で、良い時間を過ごすための買い出しから始まる、ひとときを一緒に過ごさせていただきました。

お正月準備モード全開の「マルモ商店」は太陽堂から徒歩数分。70年続くこのお店は「現代に残さなくちゃいけないローカルスーパー」と水戸さん。

食材や日用品。親戚の方が育てた遠山産の野菜や、壺焼き芋、手作りのお惣菜も並びます。

そして、店の外に並べられたこのカゴ。なかなかお店まで足を運べない方へ、注文を受けてお届けする準備も整っていました。


次に訪れたのはその先、1分ほど歩いた場所にある「肉のスズキヤ」。

南信地域を始め、県内スーパーでもスズキヤさんのお肉は並んでいますが、ここに来ないと手に入らない種類のお肉もたくさん。店内にずらりと並ぶ地元で獲れたお肉はもちろん、世界中のいろんなお肉の種類の多さは圧巻です。

この日は、水戸さんお気に入りの「木の芽(山椒)ラム」をチョイス。

水戸さんはこの日の様にゲストさんを案内しながら食材を手に入れるのはもちろん、日々の日用品などの買い物もほぼ遠山で手に入れるようにしているそう。

「飯田の街中でガソリンを入れればこっち(遠山)で入れるよりも数円安いけれど、皆がそこで入れることによって遠山のガソリンスタンドが無くなるかもしれない。そのデメリットの方が遥かに大きい。だから、日々の買い物も今後の生活(自分の暮らしも、宿の周辺の環境も)にダイレクトに繋がってくる事。

この地域の商店の存続は、自分のビジネスにとっても一蓮托生。それが良いとか悪いとかじゃなくてここにいる人達は皆この場所が好きで、やるっきゃ無いと思いながらやってる」

太陽堂に戻り、夕食の時間には、驚きの美味しさ・柔らかさに感動だった「木の芽ラム」や他にもアレコレ、遠山の美味しさを全力で感じながら楽しい夜は、、、、、続きます!

(「木の芽のラム」は、柔らかく臭みのないお肉はもちろん山椒の効いた爽やかなパンチのある味付けが本当に美味しく感動的でした!)

この日、同じく宿泊されていたゲストの方は飯田市の「保育園留学制度」を利用して3週間滞在中のご家族。詳細はこちら(現在は募集休止中) https://smout.jp/plans/8935

「遠山に移住してくれる人のキッカケとなるのが一番だけど、何よりもまずここでの生活を実際に体験して遠山という場所を多くの人に知って欲しい。」と、移住が前提の体験という訳ではなく、まずは多くの人に遠山と言う場所を知ってもらう事。お試しで田舎の保育園に通いながら生活することで得られる経験を提供してくれる制度です。

滞在中のご家族も、お母さんは普段からリモートでのお仕事の為、遠山にある市の施設の一部屋借りて普段通りのお仕事を続けながら、お父さんは関東で普段通りの勤務をしながら、お母さんと息子さんの2人は遠山での生活を送る2週間。

都会のビル内にある保育園で日々過ごしている息子さんは、自由に走り回れる園庭や野山で遊べる豊かさや、普段は取り合いになってしまう様な遊具も贅沢に一人一つ遊べるおもちゃがある環境を思いっきり楽しみを感じながら過ごし、

「都会だと歩いていても目も合わない大人が、ここだと当たり前に挨拶してくれるのが、この子にとって新鮮みたい。」と、お母さん。

実際にそこで暮らす人々と同じ時間を生活することで、いろいろな発見もあって、それを楽しそうに過ごしている姿が印象的でした。(この期間に通う保育園は、大人の足で太陽堂から徒歩5分ほど。)

ゲストさんのお見送りから始まる、水戸さんの1日。

滞在したこの日も朝から当日の予約の電話を受けたり、人が居なくなったゲストハウスの清掃をしたり。

間もなくやってくるクリスマスや、お正月に向けての準備の話も飛び交いながら、午後からは遠山地区の会議への参加。

ゲストの方がほぼ居なくなる時間も、水戸さんは動き続けていました。(のんびりしている日には、お昼寝をしたりして過ごす事もあるとのことですが!)

最後に、水戸さんに今後の目標をお聞きすると

「長く続けていく事。それは宿を続けていくことはもちろん、ここ(遠山)で何かやりたい、暮らしたい。という人たちを支えていきたい。子供たちには、大人が楽しそうにこの地で暮らす姿を見てここで暮らしたい、戻ってきたい。と、思えるようなふるさとを残したいです。」と話してくださいました。

そして「遠山が気になった方は、情報集めて調べてみても結局わからないから『いいから来てください!笑』」とも。

少しでも遠山が、太陽堂が気になった方はどんな所なんだろうか?という疑問を持ったままで足を運んでみる事をオススメします!

帰り際明るく見送ってくれるのは、水戸さんと旦那さんのよっしーさん。(よっしーさんの本業はリモートでのお仕事ですが、太陽堂で働く姿にもきっと出会えます!)



ゲストハウス太陽堂
ホームページ https://tohyamago-taiyodo.com
Instagram   https://www.instagram.com/tohyamagotaiyodo/


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