前回ご紹介をした、飯田市でスケートボードショップ「TAMON skeatboarding」を営む星翔志さんと共に飯田市に移住された妻のえりさん。

今回は、飯田市でヨガ教室 「Tara Yoga」を主催するえりさんのお話を伺いました。

移住前は、神奈川でヨガ教室を持ち活動されていたえりさん。

移住されてからは、生活の場である遠山での「遠山クラス」。「TAMON skateboarding」内のスペースで開催される「飯田クラス」。そして、オンラインクラスや出張教室。と、ヨガを身近に感じてもらうために間口も広げながら対面・非対面、問わずに教室を開いています。

えりさんから、ヨガのお話を聞いていく中で多く聞こえてきたのが「心」のこと。

多くの人が健康や美容のためにヨガを始めますが、体調の改善や美しさはヨガをやっていく事によって得られる副産物だそうです。

そこに至るよりもまず「心」という土台を整えていくことが大切なこと。その点を何よりも大切にしながら、落ち着いて呼吸をし体を動かしていくヨガや、ヨガの哲学を教えてくださいます。えりさんの優しい声のトーンと共に聞こえてくるお話から、心穏やかな気持ちでヨガの時間を過ごせるはずです。


えりさんのヨガの出会いは大学生の頃。始めは雑誌のヨガ特集を真似るところからだったそう。元々、虚弱体質でしたが更に社会人になりストレスを感じるようになり、実際にヨガ教室の門を叩きました。そこから本格的にヨガを始めることとなったと言います。

初めての教室を終えた後に、体だけでなく、モヤモヤした気持ちもスッキリとしていた事に衝撃を受けて日常的にヨガを取り入れる生活が始まっていったそうです。

それから、ヨガの教室や指導講座を受けていく事に加え、書籍等からもヨガに関する知識や哲学も学び、2011年には自身の教室も持ち始めます。

そこから10年、教室を続けていましたが、コロナ禍で対面のレッスンが難しくなり、オンラインでの教室も開催するようになりました。

非対面での環境が整えられていた事で、移住のタイミングで距離が出来てしまった生徒さんにも引き続きレッスンができたり、自身の移住への不安も少し解消されていたのは思わぬ良かった点だったとか。

対面、オンラインの違いにこだわらず、「ヨガに興味を持つきっかけはどこからでも良いので、是非実際に体験することで良さを知ってほしい。」とえりさん。
ホームページには、丁寧に案内されている教室のことや、えりさんの視点からの日々のお話しが記されています。

詳細はこちらより是非!
https://note.com/tarayoga/

飯田市へ移住してからは、夫の翔志さんと愛猫と共に遠山のご自宅で生活をされています。
「せっかく移住するのであれば、思い切って自然に近いところを選びたかった」

と言うお二人が選んだ場所は、自然豊かな景色が毎日見渡せる場所。

そんな遠山でも、遊びに来た友人を案内したりたまに立ち寄るスポットとして教えてくれたのが、その昔武田信玄が戦で遠征の際に休憩し顔を洗ったとも言われる「信玄の滝」。




訪れたのは、春の日でしたが夏でも涼しい気持ちの良い場所とのこと。
水の音だけが響く静かで澄んだ空気のとても素敵な場所でした。

こういった自然の身近に感じることができる場所への念願の移住に対して、不安が無いわけではなかったお二人を支えてくれた存在といえば、太陽堂の水戸さん。

水戸さんのお話は前回(https://i-port.biz/p/7190/)させて頂きましたが、さらに星さんご夫婦が遠山でのお父さんお母さんの様に親しくしているのがご近所に住むご夫婦だそうです。

星さんたちの住んでいる場所にも自治会がありますが、地区の行事や風習は聞かないと分からないことばかり。そういった時には「明日これあるで、何々持っていきな〜。」と、教えてくれるそうです。また、丁寧に作っている自家製のお野菜やお漬物を頂くなど、「本当に感謝している」とえりさん。

そんな言葉を聞いて、「2人が来てくれて、自分の子供たちが増えたみたいで嬉しいし、生活に張り合いが出る。力仕事なんかの手がいる時なんかに助けてもらえてありがたい。」と話すお父さんのやさしい笑顔が心に残りました。


また、星さん達が所有する茶畑は長年放置されていたこともあり荒れている状態。その地を少しずつ再生しようと手を入れている中で、茶畑に関することを教えてくれるのもこのご夫婦です。

毎年、ご夫婦の茶畑で収穫のお手伝いをしながら、茶葉にするまでの過程も含めて教えて貰い、いつもお手伝いのお返しにと30キロの茶葉を頂いているそうです。「たくさんのものも頂いているけれど、お金じゃ買えない貴重な経験をさせていただいている。」とえりさん。


お話を聞いていると、お互いに良い距離感で支え合っている2家族。

「田舎は助け合いが大切。隣近所が大切だから、お葬式があればみんな出る。そういったところにも2人はちゃんと顔を出したり、素直に上手く溶け込んでいるから近所のみんなでかわいがっているよ。」とお母さん。

最後にえりさんにとって飯田の、遠山の好きなところをお聞きしました。

「山に囲まれたのどかな景色や、そういう土地に住むからこそ湧いてくる人の「心のゆとり」のようなものが良いなと思った。」とえりさん。

街中のお店や行政のサービスを利用する際のやり取りで、何気ないプラスアルファの対応や一言に出会う事も多く、都会の人や街の雰囲気から感じる忙しなさとは違った、精神的な余裕を感じたからだそう。

「果物が好きなので、新鮮なものを豊富な種類の中から選べるのは嬉しい。」と、地元の食材が美味しく手頃な価格で手に出来る豊かなところも好きなところだそうです。

遠山での生活から感じる良いところは、飯田より更に自然が豊かで静けさを感じられるところ。その辺に生えてくる山菜、山の景色の変化や気候の移り変わり、鳥の鳴き声や畑仕事で見かける虫の様子から四季が感じられ、移住前よりも生きている実感が得られている点。

そして、地域で遠山の何百年も続く祭「霜月祭」を絶やさぬように大事にしている姿勢や、自治会の行事で年に何度か神社やお堂の清掃や参拝があることなど、神仏を大事にしている様子にも魅力を感じているそうです。

最後に、地元の人達が移住者を受け入れる柔軟な姿勢を持っているだけでなく、移住後も声をかけてくれたり、おすそ分けをしてくれるなど、気にかけてくれるのが「人と人の繋がり」を感じられて、これも遠山の良いところだと話していました。


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