今回お話を伺ったのは、東京都出身で、東京と飯田市を行き来しながら二拠点生活を送る株式会社Weblit取締役の鵜名山 翔(うなやま しょう)さん。

Webエンジニアとして企業のシステム開発や運用に携わる一方、南信州の事業者向けのWeb制作や、デジタル住民プロジェクト、地域のシステムづくりなど、地域とテクノロジーをつなぐさまざまな活動を行っています。

2025年には天龍峡の古民家カフェ「テンリュウ堂」を引き継ぎ、カフェ兼ゲストハウスとして運営もスタート。

鵜名山さんが東京で働きながらなぜ飯田に通い続けるのか、地域との向き合い方について伺いました。

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出身地 東京都
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現居住地 東京都
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二拠点歴 4年
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仕事/暮らし 株式会社Weblit
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━━飯田との二拠点生活を始めたきっかけは?

東京で生まれ育ったので、”帰省するふるさと”みたいな感覚があまりなくて育ったんです。昔通っていた学校や公園も住宅街に変わっていて地域に生きているという感覚を持ったことがありませんでした。だから、大人になってから自分でふるさとを作れないかなと思ったんです。

仕事柄、場所を選ばず働けるので、自分の人生で実験してみようという気持ちでした。そんな時、前職の同僚だった飯田市出身の大平 雄司郎さんと株式会社Weblitを立ち上げたことが、この地域との縁になりました。

━━エンジニアとは、どんなお仕事ですか?

コードを書く仕事だと思われることが多いんですが、僕は違うと思っています。本当にやっているのは課題解決なんです。ユーザーが何に困っているのか。ビジネスとしてどこに課題があるのか。

そこを考えて、その解決手段としてコードを書いているだけなんですよね。

だからエンジニアは、『人やビジネスがうまく回る仕組みをつくる仕事』だと思っています。

飯田で仕事をするときは、天龍峡のサテライトオフィスHIGASAを利用している鵜名山さん

━━二拠点生活で感じる東京と飯田での違いはありますか?

意外なんですが、人が多い東京の方が、一人を感じる時間は長いです。街には人がたくさんいるけど、そのほとんどは自分とは関係のない人。だから東京では、黙々と考え込む時間が自然と増えるんですよね。

一方で飯田では、全く違う時間が流れる。飯田に来ると、人と話す機会が一気に増えます。新しい知り合いも飯田の方が多いくらい。

東京で考えたことを、飯田でアウトプットしている感覚があります。

このバランスが、自分にはすごく合っているんだと思います。

拠点としている天龍峡での宴会の一幕

━━地域で仕事をする中で、考え方は変わりましたか?

最初は、『都会からITを持ってきました』みたいな人に見られないよう、すごく気を使っていました。

しかし、地域で活動するうちに、自分自身の見方が変わっていって。

今思うと、地方を『良くする対象』とか『支援する対象』として見ていた部分があったんです。

でも実際には、自分なんかよりずっと前から、この地域を支えてきた人たちがいる。だから今は、『地域を変えたい』というより、その人たちの流れの中に自分も一人として加われたらいいな、と思っています。

これまでと、これからをつなぐことの方に興味があります。

━━地域で技術を使う面白さとは?

都会だと、技術って効率や利益のために使われることが多いですよね。

でも地域では、それだけじゃない。人が関わる余白を残せるんです。だからこそ最近は、効率化だけではない技術の使い方に魅力を感じています。

この地域をもっと面白くすることに、自分の専門性を使えるのが楽しいんです。その方が”専門家”として距離を置くんじゃなくて、一緒に走る仲間として関われる気がしています。

ときには自身の所属する会社が経営するシェアカフェ「テンリュウ堂」で飲食の営業を手伝うことも

━━地方だからこそ挑戦しやすいことはありますか?

いっぱいあります。地方には『ここにはまだ無い』がたくさん残っています。NFTなど新しい技術も、その一つです。

都会だと、どうしても商業的な競争の中で技術が使われることが多い。

でも地方では、本来その技術が持っていた目的に近い形で使えることが多いと思っています。

━━たとえば今取り組んでいる中では、どのようなプロジェクトがそれにあたるでしょう。?
『天龍峡デジタル住民プロジェクト』ですね。

NFTなどのブロックチェーンの技術を使って、飯田出身じゃなくても、お互いに『ただいま』『おかえり』と言い合える関係をつくろうという取り組みです。

地域のお祭りへの参加などを通して、少しずつ地域内外の垣根が薄れてきたと感じています。そこにNFTからはじまる関係性も加わって、他の地域ともつながっていったら面白いですよね。距離を超えて地域同士が交流できるようになったら、関係人口だとか二拠点居住だとか、都市と地方の繋がりの可能性がもっと広がると思います。

天龍峡デジタル住民プロジェクトについてはこちら

━━今後、飯田にあったら面白い仕組みは?

地域って、本当に面白い人がたくさんいるんです。でも、その人たちの話って、飲み会で終わっちゃうことが多い。だからこそ、記憶を記録として残したいと思っています。

肩書きよりも、その人が持っている経験とか考え方とか。そういう『人的資本』を、もっと記録して残せたら面白いなと思っています。例えば、飲み会で話した地域の話を匿名ラジオにするとか、本にするとか。地域には、まだ見えていない財産がたくさんあると思うんです。

━━最後に、地方でITの仕事をしたい人へメッセージをお願いします。

正直に言うと、都会と同じやり方では難しいと思います。

でも、その”難しさ”があるからこそ面白いんです。技術者とユーザーとの距離が近いので、『何を作るか』『なぜ必要なのか』を深く考えられる。

地方で仕事をすると、エンジニアとしての深みがすごく増えると思います。

都会での働き方に少しでも違和感を感じている人なら、一度チャレンジしてみてほしいですね。楽しいですよ。

[株式会社Weblit 公式サイト] https://weblit.jp/


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